日本語教師が国家資格になりそうな今、日本語を教える、という新しいキャリアを見据えていくのもいいですね。実際、需要はあるのか?どこで働けるのか?というのは当然の疑問となることでしょう。
今回は、日本語教師の活躍の場に焦点を当ててみましょう!
目次
需要はあるの?
今回、日本語教師が国家資格化する背景として、日本語教師の人数の確保が大きな理由の一つとしてあげられています。
2017年の調査では国内の日本語教師は39,588人いますが、この人数はじわじわと増えているものの、2010年調査の33,416人とそれほど変わってはいません。
一方、国内の日本語学習者数は毎年約2万人ほど上昇しており、今後、日本が労働力確保のためによりたくさんの外国人を受け入れようとしている現状を見ると、学習者と教師の割合は大きく隔たっていくことが見込まれます。
海外の日本語学習者数を見てみると、2018年度の調査では3,846,773人と2015年調査より5.2%増加しています。
また、日本語を教えている国は142カ国と過去最多の数になりました。日本語教師はやはりアジア圏が多いので、他の国を狙っていくのもいいかもしれません。
どんなキャリアがあるの?
日本語教師は教員としてのキャリアだけではありません。先日大枠が決まった文化審議会国語分科会日本語教育小委員会の資料には、活躍の場の例として下記のものを上げています。
<専門家としての日本語教師の活動の場の例>
○法務省出入国在留管理庁が告示をもって定める日本語教育機関の教員
○地域の日本語教室における日本語教師や地域日本語教育コーディネーター
○大学等の日本語教育プログラムを担当する日本語教師
○企業等における日本語研修担当者
○学校等における日本語指導員
○外国人と関わる日本人に対する異文化理解やコミュニケーション研修の担当者
日本を教える専門家になれば、教育だけでなく、コーディネーターや外国との橋渡し役としても成長できるのです。ワクワクしませんか?
では、国内・海外では具体的にどのような働く場所があるのか、見てましょう。
参照:文化審議会国語分科会日本語教育小委員会(第99回)議事次第
国内
外国人のための日本語学校
言わずと知れた、王道の日本語教師の働き方です。
学生の目的は、大学・大学院・専門学校など日本の教育機関への進学や、日本企業に勤めること、はたまた日本に慣れることであったり、本当に様々です。
日本人の私たちにとっては、日本にいながら「日本」を教えるという面白い体験ができますよ。
留学生指導
大学生もしくは研究生として日本に来ている学生を大学の留学センターを通じて指導します。
指導期間や内容は短くなってしまうことが多いですが、研究のお手伝いができているようでうれしくなりますね。
外資系企業の外国人向けレッスン
企業に勤めながら外国人にレッスンすることもあれば、派遣されてレッスンすることもあります。
今回の国家資格の大枠では、人材派遣等の企業の担当者が日本語教師の資格を取得する可能性も期待されています。
海外
現地の日本語学校
日本語教育を専門とする学校で教えることができます。若い世代を中心に、就労のためや趣味のために日本語を勉強している学生に日本語を教えます。
日本での日本語学校で教えている感覚と少し似ているようです。
現地の学校で第2外国語として教える
日本では義務教育で英語以外の教科を教えることはあまりありませんが、外国では義務教育でも選択科目として第二外国語を学習することがよくあります。その中で日本語を勉強したという方もたくさんおられます。
地元の元気な子供たちと成長できるのは本当に楽しいです。
その他
オンラインレッスン
日本にいても海外にいても、お仕事が可能です。教室ではなく、自宅でお仕事ができる時代ですから、この働き方もアリです。
意欲的な生徒さんがたくさんいますし、まさかこんな国の人と知り合いになれるなんて!という驚きもたくさんあります。
登録サイトによっては自分でレッスン料を決められるところもありますから、技量によっては大人気講師になってしっかり稼げることもあります。個人レッスンもグループレッスンもできます。自分次第でいかようにもできる働き方です。
コーディネーター
議事録に上げられていたように、スキルと発信力を上げていけば、コーディネーターや外国への日本語の普及、これからの日本語教育をつくる専門家への道も開かれます。
これも、大切な役目ですよね。
まとめ
日本語教師は、数字の上でも体感でも需要がある世界です。私が上記でお伝えした以外にもたくさんの働く方法が見つかります。
国内を目指すか海外を目指すか、誰を相手にどんな働き方をしたいか?が決まったら、ぜひ情報収集をして動き出しましょう。