日本語教師になる方法はいくつかありますが、その中で最も一般的なのが「日本語教師養成講座420時間コース」の受講です。
この「日本語教師養成講座420時間コース」は特定の団体が実施しているわけではなく、いくつもの機関が実施しています。よって受講希望者は、どの講座が良いのか、自身で吟味してから受講することになります。
本記事では、現役日本語教師の私が、「日本語教師養成講座420時間コース」の基本事項についてまとめました。
目次
日本語教師養成講座420時間コースとは?
日本語教師になる方法の1つとして、日本語教師養成講座の受講があります。現在たくさんの日本語教師養成講座がありますが、「どれでもいいからとにかく講座を受ければいい」というわけではありません。
日本語教師になるためには、文化庁の届出受理を受けて、420単位時間以上の研修科目が設定された日本語教師養成講座を受講しなければなりません。
日本語教師養成講座の受講を検討していて、どの講座を受講しようか悩んでいる方は、文化庁の届出受理を受けている講座かどうか注意しながら選びましょう。
日本語教師養成講座420時間コースで学ぶこと
日本語教師養成講座はいくつも種類があります。文化庁の届出受理を受けた日本語教師養成講座420時間コースで学ぶカリキュラムは、分野の切り分けや科目の名前は違えど、どの機関でも基本的には同じです。
以下の内容を学びます。
- 社会文化
- 教育
- 言語
それぞれ詳しくみていきましょう。
社会文化
社会・文化では次の2つについて学びます。
- 社会・文化・地域
- 言語と社会
「社会・文化・地域」は、日本がどのような独自の歴史・文化を持っているのか、国際協力・留学生政策・外国人材政策など日本が異文化や外国人にどのように接してきたか、また、日本語教師養成制度や学習者が受験する日本語試験などの日本語教育の現状について学ぶものです。
2つ目は「言語と社会」です。言語は社会や時代の中で生まれ育ち、変化するものです。日本語と日本社会の関係や、地域・性別による使用言語の相違、日本人特有の仕草やボディランゲージなどの非言語行動、そして日本における異なる文化との交流などについて学びます。
教育
教育でも次の2つのことについて学びます。
- 言語と心理
- 言語と教育
1つ目は「言語と心理」です。言葉は人間が話すものであり、その人間には心があります。この領域では言語と心理の関係について学びます。また、人間がどのようにして言語を理解し、人間が心身の成長とともにどのようにして言語を習得していくのかについても学びます。
2つ目は「言語と教育」です。これは言語を教えるために必要なスキルを学ぶものです。例えば、日本語の教授法や評価法、教室活動のあり方、上級・中級・初級のコースデザイン、カリキュラムの作成、受講者のニーズ分析、さらには教材の選択や開発・作成の方法なども学びます。
言語
言語全般に関する知識を身に付けます。世界にある様々な言語やそれらの音声・語彙・文法などに着目した言語の分類などを理解します。また、日本語という言語を、音声、語彙、文法、表記、歴史的な変化といった角度から分析し、日本語の言語的特徴を理解します。
さらに、言語を用いたコミュニケーションに必要な能力についても学びます。相手を受け入れる力、相手を理解する力、場に相応しい言語を選択する力、議論を組み立てる力、人間関係を築く力、文化の違いを超えて意思疎通ができる力など、言語を教える教師として必要なコミュニケーション力を身に付けます。
まとめ
日本語教師養成講座420時間コースについて解説いたしました。日本語教師養成講座420時間コースを受講して、日本語教師を目指しましょう。