日本語教師事情

日本語教師に英語力は必要?ケース別に解説

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「日本語教師になりたいです。日本語教師って英語力も必要なの?」

こういった疑問を解決いたします。

先に結論を言ってしまうと、日本語教師に英語力が必要かどうかは、状況によります。

英語が必要な場合も必要ない場合もあるので、私の日本語教師としての経験に基づいて、ケース別に解説いたします。

記事を最後までチェックすれば、あなたが日本語教師を目指す上で、英語が必要なのかどうかが分かりますよ。

 

日本語教師に英語力が必要かどうかは教授法によって決まる

日本語教師が日本語を教える方法として、『直接教授法』と『間接教授法』があります。

『直接教授法』は、日本語を使って日本語を教える方法です。

『間接教授法』は、日本語以外の言語を使って日本語を教える方法です。例えば我々日本人が学校で初めて英語を学ぶときは、日本語を介して英語を学びましたよね。

『直接教授法』の場合は、英語力は必要ありません。一方、『間接教授法』の場合は、英語力が必要になることも。ただし『間接教授法』だからと言って、必ずしも英語力が必要とは限りません。例えば中国で『間接教授法』を用いて日本語を教える場合、英語ではなく中国語が必要になることがあります。

 

日本語教師に英語力が必要な場合

日本語教師に英語力が求められる場合を2パターンにまとめました。

欧米圏の生徒に日本語を教える場合

欧米圏の生徒に日本語を教える場合は、英語力を求められることが多いです。まずアメリカ・カナダ・イギリスの母語は英語ですよね。

またヨーロッパの国々は英語が話せる人の割合が高いので、簡単な英語を使って日本語を教える場合が多々あります。

 

英語を母語とするアジア圏で英語を教える場合

英語を母語とする国は、欧米圏だけではありません。アジアにも英語を母語とする国はありますよね。例えばフィリピン・シンガポール・インドなどです。

こういった国で日本語を教える場合には、英語力が求められることもあります。

ただし、ドイツで日本語を教えるのであればドイツ語、フランスで日本語を教えるのであればフランス語が話せたほうが有利になります。

 

日本語教師に英語力が必要ない場合

日本語教師に英語力が必要ない場合は次の通りです。

日本国内で働く場合

日本国内で働く場合は、英語力は求められません。なぜなら『直接教授法』を使いますし、日常生活も日本語で事足りるからです。

海外で働く場合は、例えば『直接教授法』を用いるとしても、日常生活で英語が必要になる場合があります。

日本国内の日本語学校と、海外の日本語学校では、生徒の出身地に大きな違いがあります。まず海外の日本語学校では、原則としてその国の生徒しかいません。

日本の英会話スクールの受講生はほとんど日本人ですよね。それと同じです。

一方で日本国内の日本語学校には、世界中から様々な国の生徒が訪れているため、英語が理解できる生徒もいれば、そうでない生徒もいます。

よって日本国内では、英語は使わず『直接教授法』で日本語を教えるのが一般的です。

 

まとめ:英語力はあるに越したことはない

日本語教師の英語力について解説いたしました。冒頭で申し上げた通り、日本語教師に英語力が必要かどうかは状況によります。

欧米圏の生徒に日本語を教える場合や、英語を母語とするアジア圏で英語を教える場合は、英語が必要になるケースが多いです。一方で日本国内で働く場合は、英語は不要です。

ただし英語力はあるに越したことはありません。英語力があればコミュニケーションの幅が広がるのはもちろんのこと、言語学習者の気持ちが理解できるからです。

日本では多くの人が英語学習に苦戦しています。同じように多くの外国人が苦戦しながらも日本語を学んでいます。自身も同じように外国語を学んでみることで、生徒の視点に立った授業ができるようになると思います。

 

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